そのゲストハウスのリノベーションに携わった一人である家具職人の方のアトリエは、まるで秘密基地のような空間で、私たちの好奇心を掻き立ててくれました。閉鎖した工場や廃校などからもらい受けてきたという廃材を使用し、実家の製材所の一部をセルフリノベーションしているのですが、木材の加工だけでなく、鉄工や革細工の技術も持つその方の手にかかれば、廃材も新たな形として生まれ変わっており、目から鱗のような発想の豊かさに驚きました。見れば見るほど遊び心のあるものが出てくるので、何時間でも、何日でも滞在したい、そんなものづくりの面白さを肌で感じることができた空間でした。 もう一つ、面白い場所があると聞いて伺ったのが、市内のある萩焼の窯元です。明木から萩市街地に入ってすぐの山の麓にある窯元には、ギャラリーのほか、登り窯に沿って斜面を登ると和風建築の立派なご自宅もあり、突然お邪魔した私たちを快く招き入れてくださいました。ご主人の制作した素晴らしい器の数々を展示しているご自宅は、実は、ご自身で設計されたとのことで、居間には、アフ 自分の好きなことを追及する生き方から学ぶことは多く、私たちに大きな感動や刺激を与えてくれます。豊かな発想や独自の世界観を持つ方と共有する時間そのものに大きなリフレッシュ効果があり、クリエイティブな発想も促してくれるように感じます。物質的な豊かさではなく、心の豊かさが求められることが多い現代だからこそ、仕事だけではなく、生活の部分の充実は重要です。個性豊かな地元の人たちとの出会いに加えて、萩は、歴史や文化、美しい自然にも恵まれています。そのポテンシャルは十分にあると感じました。リカのある部族のベッドがテーブルとして使用されているほか、不思議な仮面なども飾られており、その独自の世界観に驚かされました。また、息子さんの作品は、スタッズをあしらったものや金属のような質感の器など、素朴な印象が強い萩焼とは異なる作品を見ることができ、伝統的な焼き物の地でありながらも、自由な発想から、多種多様な作品が生まれていることを知ることができました。20
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