【山口県萩市】サテライトオフィス実証実験レポート
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萩ラブハイスクールの授業風景アルでのセッションに繋げ、リアルの交流で足らないところはオンラインで補完し、限られたコミュニケーションをより充実したものにと、ICTアドバイザーらしく、その本質を掴まれています。 そんな松嶋さんは、授業にICTを導入するだけでなく、自身の学びにもeラーニング、オンライン講座、オンライン勉強会などICTを積極的に活用され、世界各地の教員、教育関係者とコミュニケーションを取られています。その中でも、反転授業のオンライン講座では、生徒として参加されながらも、現在では講師になられるほど。「地方にいながらも学びたいことが学べる、学校から離れても生徒の学びへのアプローチができる。ICTは使い方しだいで学びの可能性を広げることができ、視野を広げるにはとても有効で、今後益々学習にICTの利活用が進むでしょう。」と言われながらも「ICTを使えば使うほどリアルとのバランスが大切になってきます。」とも言われ、学ぶ欲求が高まると、家族との時間や睡眠時間を削ってまで没頭してしまうこともあるそうで、それでは本末転倒だと、自身も心がけられながら、生徒にも注意を喚起されます。 「ICTの利活用には、オンラインとリアルとの線引きを常に意識し、敬意と思いやりが必要不可欠。それを忘れさえしなければ、地方で住む若者が視野を広げ、世の中を知るのと同時に地域からの視点を併せ持つことによって様々な問題を捉えれるようになるのでは。」と、その理念は吉田松陰が唱えた至誠やグローカリズムに通ずるところがあり、お話を聞けば聞くほど、明治維新胎動の地・萩から新しい時代の新たな熱量が生まれるのではと期待してしまいます。 萩商工高校に着任し隣接する山口市から通勤する日々は8年目を迎える松嶋さん。転任の話も少なからず出ているそうですが「可能な限り萩商工で!」と希望されているとのこと。「結局のところ、私自身がおもしろい人たちと共に豊かな人生を歩んでいきたいのです。ICT導入も同様、新しく何かを取り入れることに理解してくださる萩商工の環境、萩LOVEの皆さんの協力や萩ラブハイスクール、更には萩の持つブランドなど、それらが多くの素敵な出会いを与えてくれ、可能性が広がり、魅力ある人生にしてくれる。ICTを活用して生徒たちに様々なものを伝えていきたいと思っていますが、自分が感じているように、仕事っておもしろい、人生って捨てたもんじゃないってことを一番に伝えていきたいと思っています。」22

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