明木の方たちは、折に触れては私たちに声を掛けてくださり、地域の輪の中へと温かく受け入れてくださいました。気軽に中谷邸を訪れる方も少なくはなく、年齢・性別に関係なく興味関心を持つ住民の方が多かったのも印象的でした。萩で暮らし、働きたいと思っている若者たちに働く場所を作ってあげたい、活気ある故郷を作っていきたい、という熱意もひしひしと伝わり、過疎が進む中でも、決してあきらめずに、前を向いて刺激と変化を求めていく姿勢に、住民の方たちの意識の高さを感じました。実際に現場を見ていただくことで、ICTの技術を活用すれば、明木でも、東京と同じような仕事ができるのだという実感はお持ちいただけたのではないかと思います。 また、そういった意味でも、明木中学校にサテライトオフィスを設置し、次世代を担っていく子どもたちに、将来の働き方の選択肢の一つとして伝えることができた経験は、私たちにとっても、今回の実証実験の成果の一つとなりました。 私たちにとって、サテライトオフィスは、単に「仕事をする」だけでなく、「地域や人と繋がる」機能も兼ね備えたオープンな場所でもあります。多様な価値観を持つ人達との出会いは、新たな価値を生みだし、更には、新しいビジネスに発展することもあります。また、人が集まることによって、地域に店舗や施設が増え、一つのマーケットが形成されれば、街に賑わいが生まれることも期待できます。これまでの経験から、サテライトオフィスは、過疎に悩む地域の再生・活性化に繋がっていく存在であると信じています。 そんな私たちのような存在を必要とし、温かく受け入れてくださる環境は、サテライトオフィス誘致に適した土地であると言えるのではないでしょうか。 私たちは、今回の実証実験を通して、たくさんの方々に出会い、繋がることができました。それも、地元の方々をはじめ、関係者の皆様の多大なるご支援、ご配慮を頂いたからこそであると深く感謝いたしております。このご縁を大切にし、今後に活かしてまいります。24
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