幕末の時代、多くの志士を輩出し、「明治維新胎動の地」として知られる山口県萩市。山と海に囲まれ、白壁の古い街並みが残る風光明媚な地域は、豊かな農林水産物にも恵まれています。そんな歴史遺産と地域資源に恵まれた萩市でも、例にもれず、若者が就職や進学を機に都市部へ流出し、人口減少による過疎化が深刻さを増しています。 そんな萩市との出会いは、弊社社長の星野晃一郎と、かねてから経営者団体の仲間であった、萩市出身で萩ふるさと大使も務めておられる株式会社コスモピア代表取締役・田子みどり氏との交流がきっかけでした。私たちが実施した徳島県神山町でのサテライトオフィス実証実験に興味を持たれ、実際に神山町へ視察にも訪れた田子氏は、故郷・萩の課題を解決する一つの打開策として、サテライトオフィスの誘致を萩市に提案。萩市内を中心に、光ケーブル回線が敷設されている情報通信環境とＩＣＴ技術を活用することで、若者の雇用を生み出すチャンスとして、萩市も、サテライトオフィス、さらには本社を含めた企業誘致に取り組んでこられました。 そういった経緯から、これまでに、徳島県の神山町や三好市での実証実験の実績を持ち、さらには、徳島市や神山町、栃木県宇都宮市をはじめ、全国８カ所でサテライトオフィスを運営している私たちが、公募による選考を経て、萩市でのサテライトオフィス実証実験の事業を行うこととなりました。 事前に、萩市内の様々な場所を視察した結果、山口宇部空港や新幹線が停車する新山口駅からのアクセスが良い萩市明木地区で実験を実施することとなりました。視察の際には、萩に帰りたくても、地元では就職機会に恵まれない若者たちが多く存在する実情も伺うこともできました。 場所を選ばない働き方として注目を集めるサテライトオフィス。かつて、維新の志士たちを数多く輩出し、日本の歴史を変えた萩の地で、「新しい働き方」として興味を持っていただき、働き方のイノベーションを起こす。このリポートが、そんなきっかけとなることができたらと思っています。 今回の実証実験にあたり、私たちを見守り支えてくださいました、古民家を所有する中谷様、萩市役所の皆様、山口県庁の皆様、明木地域の皆様、萩ＬＯＶＥの皆様、明木中学校の皆様、各メディアの皆様とサテライトオフィスに興味をもっていただいたすべての方々に、心から感謝申し上げるとともに、萩の素晴らしさを多くの方たちに知っていただければ幸いです。はじめに株式会社コスモピア代表田子みどり氏3
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